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MOS Excel新科目 出題範囲が公開、「財務」「会計」特化の新試験 どんな試験?どう対策する?

Excel(エクセル)MOS資格対策

就職や転職のために、何か強みになる資格がほしい、ということで、 MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)資格の取得を考えている方は多いと思います。

当店は、そんな方に、資格対策のレッスンと、本番試験の試験会場、という両方を提供しています。

きょう、そのMOS試験の提供元 Certiportのサイトを確認したところ、驚くべき新情報が掲載されておりました。

365 App :: Certify :: Microsoft Office Specialist :: Certiport
The Microsoft Office Specialist certifications that will be available are Word Associate, Excel Associate, PowerPoint As...

Excel for Business Finance Associate

(「ビジネス財務のためのExcel」アソシエイトレベル資格)
Microsoft Excel を使用して財務データを管理および予測し、計算を実行し、財務分析レポートを生成する能力を検証します。財務アナリストやその他の財務関連の職種を目指す個人に最適です。
近日公開 詳細公表されました

Excel for Accounting Associate

(「会計のためのExcel」アソシエイトレベル資格)
Microsoft Excel を使用して財務データを管理、計算を実行し、レポートを生成する能力を検証します。簿記、監査、初級レベルの会計の職種を目指す個人に最適です。
近日公開 詳細公表されました

Certiport MOS資格紹介ページより

現時点(2025年8月)では、試験範囲については何も発表されていません。アメリカのCertiportのサイトで「近日公開」ということです。

【2025/9 更新】試験範囲が発表されました。後の章で詳しく分析して解説します。

試験開始予定時期が、英語版だけ出ていまして、こちらのページです。
2025年第四四半期(10-12月)だそうです。

日本での試験については、オデッセイコミュニケーションズのMOS公式サイトで発表される内容が公式になります。受験料なども、ここに出るまでは未定となります。

「なんだ、まだ始まってもいないのか」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、英語版が年末に開始、ということなので、半年~一年ぐらいかけて日本にもやってきそうな気がします。そんなに先のことでもありません。

この新資格の登場は、単にExcelの試験が2つ増えるという話ではありません。これは、あなたのキャリアプランに大きな影響を与える可能性を秘めた、MOS資格の大きな転換点だと考えられます。

この記事では、その「転換点」だと当店が考える理由と内容、そして、まだ内容すら出ていませんが、資格取得に向けた学習のお話も、書いていきたいと思います。

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何が新しい?「専門職」に直結する、まったく新しい科目

これまでのMOS Excelの科目は、大きく分けて2種類ありました。

  • MOS Excel Associate (一般レベル): Excelの基本的な機能を幅広く知っていることを証明する資格です。
  • MOS Excel Expert (上級レベル): マクロや高度なグラフ作成など、Excelのさらに進んだ機能を使いこなせる「パワーユーザー」であることを証明します。

どちらも価値ある資格ですが、新科目のコンセプトはこれらとは根本的に異なります。

なぜ今、「専門性」が重要なのか?

「Excelスキルのコモディティ化」ともいうべき状況

いまの就職市場をみると、基本的なExcelスキルは、ほぼすべての事務職で「できて当たり前」の能力と見なされています。

その結果、標準的な「MOS Excel Associate」あるいは「MOS Excel Expert」資格だけでは、特に専門職を目指す場合、他の候補者との大きな差別化が難しくなってきているのが実情です。

実際にある調査では、多くの企業が「単なるExcelの基本操作を超える」専門スキルを持った人材を見つけることに苦労している、という結果が出ています 。例えば、採用担当者から見れば、応募者がMOS Excel Expert資格を持っていても、その人が財務関数を使いこなし、専門的な財務モデルの作成まで可能かどうか、といったことまでは判断できません 。

今回登場する新しい「Excel for Business Finance」と「Excel for Accounting」は、まさにこのギャップを埋めるために生まれたのではないかと推測します。

「アプリ」ではなく「職務上の役割」に注目した資格体系への転換

新しい「Excel for Business Finance」と「Excel for Accounting」は、単にExcelの機能を知っているかではなく、「財務」や「会計」といった特定の仕事(ジョブロール)で、実際に求められるスキルを持っているかを証明することに特化していると考えられます。

これは、Microsoftが近年進めている「役割ベース(Role-Based)」という資格戦略の流れを汲んでいます。企業が求めているのは「製品の機能を知っている人」ではなく、「そのツールを使って特定の仕事ができる人」であるという、市場の強いニーズに応えた動きです。
(関連記事こちら 「新しい役割ベースのトレーニングと認定資格でスキルアップして、目立ちましょう。」Microsoft Learn 2018.9」

つまり、新資格が証明するのは、「Excelが使えます」という漠然としたスキルではなく、

「Excelで財務分析ができます」
「Excelで会計報告ができます」

という、より具体的で、採用担当者が求めるスキルではないか、と考えられるのです。

名称が「Associate」=「簡単な資格」ではない

ところで、この新しい科目の名称に「アソシエイト(Associate)」と付いています。

一般に、「アソシエイトレベル」は「エキスパートじゃない、簡単な方」というイメージで言われますが、決してそういう意味ではありません。

MOS以外の資格も含めた、全体のマイクロソフトの資格体系において、「アソシエイト」レベルは『就職の準備が整っていること』を証明するレベルとして、明確に位置づけられています 。

本当の意味での基礎レベルは「Fundamentals」という名前になっています。ですから、「いちばんかんたん」という意味ではそもそもないのです。

最上級の「Expert」とも違います。MOSのエキスパートレベルは、「総合的な上級スキル」といった意味合いで設定されています。

つまり、新しい科目は、特定の専門分野に絞り、その分野で即戦力として働けるスキルを証明する資格であることを、名前で表しているのです。

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新しい資格は、取る価値がありそうか? を考えてみます

では、この新しい専門資格は、どうでしょう、もし開始されたら、取得する価値がありそうでしょうか?

あなた自身のキャリアにとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1:ピンポイントのスキル証明が、採用担当者に「刺さる」可能性

多くの企業、特に財務・会計分野では、一般的なExcel操作能力を超えた、専門的なスキルを持つ人材の確保に苦労しています。

「Excel上級レベルの方」といっても、「その職務に必要なスキル」があるかどうか、はっきりしないのです。ありとあらゆる職務に対応できるスキル、となると、学習量が膨大になり、そんな人はほとんどいません。逆にひとつひとつの専門性は損なわれる可能性もあります。

日本の求人票は変わっていて、「VLOOKUPが使える方」と書く会社が大変多くあります。このため、VLOOKUP関数を教えてほしいというご質問が多いのですが、もちろん、VLOOKUPだけ使えるようになっても何の意味もありません。米国などでは「Excelの習熟」という書き方の場合が多いです。

そこに、「役割ベース(Role-Based)」の資格が加わるとすれば、どうでしょう。

履歴書に「Excel for Business Finance Associate 取得」と書かれていれば、採用担当者は、例えば「この人は、他の人と違って財務モデルを扱える」と具体的に評価できることになります。単に「Excel使えますか」以上の採用基準になりうる可能性があります。

メリット2:明確なキャリアパスが描ける

新資格は、公式の説明文で「ファイナンシャルアナリスト」や「簿記、監査、エントリーレベルの会計職」といった具体的な職種を名指ししています。

もしあなたがこうした専門職を目指しているなら、まさに「ドンピシャ」の資格と言えるでしょう。

メリット3:市場価値の高いスキルが身につく

資格取得の過程で学ぶスキルは、そのまま市場で高く評価される能力に直結します。例えば、ファイナンシャルアナリストには財務モデリングが必須スキルとされていますし、会計職ではデータの正確性を担保し、定型業務を自動化する能力が極めて重要です。これらの高需要スキルを体系的に学ぶことで、あなたの市場価値は大きく向上します。

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【財務】Excel for Business Finance Associate の出題範囲と対策

【2025/9更新】さて、出題範囲が公開されましたので、分析して、対策を練っていきたいと思います。

出題範囲の原文は、こちらのページの各科目についている「Exam Objectives」をクリックすることで見ることができます。PDF形式です。

MO-230 Excel for Business Finance 出題範囲(仮訳)

※翻訳は当方の仮訳です。正式な日本語訳はもしこの試験が日本でも実施される場合はMOS公式サイトに掲載されると思われます。

財務分析の実行

  • Excelで財務データをインポートおよびエクスポートする
    • 様々なソースからデータをインポートする
    • ワークブックを様々なファイル形式で保存およびエクスポートする
  • Excelで財務データをクリーンにする
    • 重複データを削除して正確性を確保する
    • 行、列、セルを削除または非表示にしてデータを簡素化する
    • セルの書式設定で一貫性を保つ
  • Excelで財務データの整合性を検証する
    • データの入力規則を適用して入力を制限する
    • 定義された基準値または期待値から外れたデータを特定する
    • ワークブック、ワークシート、セルを保護する
  • Excelで財務データを変換する
    • 1 つのデータ列を複数の列に分割する
    • テキスト関数を使用して値を抽出または結合する
    • 日付関数を使用して取引日を変換する
    • フィル機能を使用して系列とパターンを拡張する
  • Excelで財務諸表を分析して差異を計算する
    • 水平分析を実行する
    • 垂直分析を実行する
    • 予算と実績の差異を計算する
    • 提供されたベンチマークとの差異を特定する
  • Excelの数式を使用して財務諸表を分析する
    • 財務指標と価格分析を準備する
    • 財務比率を計算する
    • 貨幣の時間的価値計算を実行する
  • 財務数式の誤りを特定して修正する
    • 数式の誤りを特定して報告する
    • 数式監査機能を使用して計算を検証および修正する

ローンと投資の分析の実行

  • ローンを分析する
    • 財務関数を使用してローン値を計算する
    • ローン償却スケジュールを作成する
    • ローンシナリオを分析する
  • 投資を分析する
    • 財務関数を使用して債券価格と利回りを計算する
    • 株式評価モデルを作成する

財務予測の作成

  • 将来のパフォーマンスを予測する
    • 数式を使用して履歴データを分析する
    • 予測シートを作成する
  • 財務予測を準備する
    • 成長率を適用する
    • 利払額を予測する
    • What-If分析を適用する
    • 現金予算を予測する
  • Excelで財務情報を視覚的に提示する
    • ダッシュボードとグラフを作成する
    • グラフの誤りを特定して修正する
    • アクセシビリティとユーザビリティを評価および改善する

MO-230 Excel for Business Finance はどんな試験なのか

「Excel for Business Finance (MO-230)」は、財務モデリング、予測、分析といった、将来を見通すためのスキルが中核となる、極めて実践的な資格となりそうです。

Excelの機能を幅広く知っていることを問う従来のExpert資格とは一線を画し、ビジネスファイナンスという特定の職務(ジョブロール)で求められる専門的な応用能力を深く測定します。公式の出題範囲から、この試験が実務に耐えるレベルの高度なスキルをテストすることが明確になりました。

MO-230で問われる中核スキルセット

出題範囲を分析すると、合格には以下の専門的なスキルセットが要求されることがわかります。

  1. 財務分析のフレームワークの実行能力 単にデータを集計するだけでなく、財務諸表の水平分析(期間比較)や垂直分析(構成比分析)、各種財務比率の計算といった、確立された分析手法をExcelの数式で実行する能力が求められます。これは、財務データから経営状態を読み解くための専門知識が前提となるスキルです。
  2. 財務関数を用いた投資・融資評価 投資プロジェクトの価値を評価するNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)、ローン返済額を計算するPMTといった財務関数の深い理解と応用力が不可欠です。ローン償却スケジュール株式評価モデルの作成といった、具体的なアウトプットを構築するスキルが直接問われます。
  3. What-If分析による将来予測とシミュレーション 売上やコストといった変数が変動した場合に、最終的な利益に与える影響をシミュレーションするWhat-If分析が明確に範囲に含まれています。また、過去のデータから将来の業績を予測する予測シート機能など、未来の不確実性に対応するための戦略的なスキルが重視されています。
  4. 分析プロセスの包括的な遂行能力 分析の前提となるデータのインポート、クレンジング、整合性検証から、最終的な分析結果を伝えるためのダッシュボードとグラフの作成まで、ビジネスファイナンスにおける一連の業務プロセスをExcelで完結させる能力が問われます。

ビジネスファイナンス実務家のための資格

この資格は、単に関数の使い方を知っているExcelの「パワーユーザー」を認定するものではありません。「なぜその分析を行うのか」というビジネス上の目的を理解し、適切なExcel機能を自ら選択して問題を解決できる、真の「ビジネスファイナンスの実務家」を認定する、非常に価値の高い試験であると結論付けられます。

試験対策について

もし日本でも試験が実施される場合は、模擬試験つきテキストなども発売されるとは思いますが、現段階でこの資格に合格するための学習方法はどんなものになるか、考えてみます。

Excel 365 Associate合格レベルの基礎スキルは必須

ベースとして、一般レベルの「Excel 365 Associate」に合格するレベルの操作スキルは必須でしょう。

ただし、Excel for Business Financeに合格するために、Excel 365 Expertの合格レベルを目指す必要はないと考えています。

Excel 365 Expertは、オールラウンダーの上級スキルを求める試験です。財務関数は一般レベルには含まれないわけですが、かといって 上級レベルは「やりすぎ」「広すぎ」だと思います。

実践演習で「問題解決能力」を養う

この試験の合格を目指すためには、テキストの練習問題を解くだけでなく、初めて見るデータに対して自ら課題を設定し、解決する実践的な演習が必要なように思われます。

Kaggle政府統計ポータルなど、無料で利用できるサイトから、株価データや売上データといった多様なデータセットをダウンロードして、出題範囲に沿った自己課題演習を行うのがよいかもしれません。

  • 将来予測の演習: 公開されているS&P 500の株価データを入手し、特定銘柄の月次リターンを計算します。その上で、Excelの予測シート機能を使い、6ヶ月先の株価を予測してみる 。  
  • ローン分析とWhat-If分析の演習: PMT、PPMT、IPMTといった財務関数を駆使して、住宅ローン返済シミュレーターを自作する。さらに、金利や返済期間といった変数が月々の返済額にどのような影響を与えるかを分析する 。  

これまでのMOS試験とはだいぶ違う感じになりそうな気がします。単なる操作スキルではなく、「ビジネス上の目的を達成するために、どの関数や機能を使えばよいか」を自ら考え、実行する訓練を繰り返すことが必要となりそうです。

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【会計】Excel for Accounting Associate の出題範囲と対策

出題範囲の原文は、こちらのページの各科目についている「Exam Objectives」をクリックすることで見ることができます。PDF形式です。

MO-220 Excel for Accounting Associate 出題範囲(仮訳)

分析のための会計データの準備

  • Excelで会計データをインポートおよびエクスポートする
    • 様々なソースからデータをインポートする
    • ワークブックを様々なファイル形式で保存およびエクスポートする
  • Excelで会計データをクリーンにする
    • 重複データを削除して正確性を確保する
    • 行、列、セルを削除または非表示にしてデータを簡素化する
    • 一貫性のためにセルを書式設定する
  • Excelで会計データの整合性を検証する
    • データ入力規則を適用して入力を制限する
    • 定義された基準または期待される値から外れたデータを特定する
  • Excelで会計データを変換する
    • 単一のデータ列を複数の列に分割する
    • テキスト関数を使用して値を抽出または結合する
    • 日付関数を使用して取引日を変換する
    • フィル機能を使用して系列とパターンを拡張する

試算表の作成

  • Excelで会計トランザクションを整理する
    • トランザクションを並べ替える
    • トランザクションをフィルターする
  • Excelの数式を使用して財務データを整理する
    • 数学関数および統計関数を使用する
    • 論理関数を使用する
    • ルックアップ関数を使用する

財務諸表の作成と分析

  • Excelで財務諸表を作成する
    • 数式を使用してデータを集計する
    • 表示のためにデータを書式設定する
  • Excelで財務諸表を分析する
    • 収益性比率を計算する
    • 流動性比率を計算する
    • 支払能力比率を計算する
  • Excelで財務諸表の誤りを修正する
    • 条件付き書式を使用してデータの異常を特定する
    • 数式監査機能を使用して計算を検証および修正する
  • Excelで財務情報を視覚的に提示する
    • ピボットテーブルを作成して財務データを要約する
    • ダッシュボードとグラフを作成する
    • アクセシビリティとユーザビリティを評価および改善する

定型的な会計業務の実行

  • Excelで償却スケジュールを作成する
    • 固定月次返済額を計算する
    • 償却スケジュールを作成する
  • Excelで銀行勘定調整表を作成する
    • 関数を使用して未決済の小切手や預金を特定する
    • 条件付き書式を使用して調整項目を特定する
    • 調整後の現金残高を計算する
  • Excelで売掛金と買掛金を管理する
    • 関数を使用して売上および仕入データを整理する
    • 売掛金または買掛金の年齢表を作成する
    • 関数を使用して貸倒費用を計算する
  • Excelで給与計算業務を実行する
    • 複数従業員の総支給額と手取り額を計算する
    • 会社負担の給与税を計算する
    • 関数を使用して不正を評価する
  • Excelで減価償却スケジュールを作成する
    • 期間ごとの減価償却費を計算する
    • 将来の減価償却費を予測する

MO-220 Excel for Accounting Associate はどんな試験なのか

「Excel for Accounting (MO-220)」は、極めて実践的な会計実務に焦点を当てたものになるようです。単にExcelの機能を知っているかを問うのではなく、会計担当者として日々の業務を遂行する能力を直接的に測定するものになりそうです。

MO-220で問われる中核スキルセット

出題範囲を分析すると、合格には以下の専門的なスキルセットが要求されることがわかります。

  1. 信頼性の高いデータ準備能力 分析の前提となるデータ品質を担保するスキルが重視されています。これには、外部データソースからのインポート、重複の削除といった基本的なクレンジングに加え、「データ入力規則を適用して入力を制限する」といった、データの正確性を維持するための具体的な機能の応用が含まれます 。  
  2. 会計プロセスの総合的な実行能力 試験は、会計業務の一連の流れを網羅しています。「試算表の作成」から始まり、「財務諸表(損益計算書・貸借対照表)の作成」、さらには収益性・流動性・支払能力といった財務比率の分析まで、一貫した会計プロセスをExcelで実行する能力が問われます 。  
  3. 定型的な会計業務の遂行スキル この試験の最も特徴的な点は、「定型的な会計業務の実行」という大項目が設けられていることです。具体的には、「銀行勘定調整表の作成」「売掛金・買掛金の年齢表作成」「給与計算業務の実行」「減価償却スケジュールの作成」といった、経理部門の日常業務そのものがタスクとして含まれています 。  
  4. ピボットテーブルによる集計・分析 会計実務で多用されるピボットテーブルは、やはり重要なスキルとして明確に位置づけられています。「ピボットテーブルを作成して財務データを要約する」という項目があり、大量の取引データから迅速に意味のあるレポートを作成する能力が必須となります 。  

会計実務家のための実践資格

MO-220は、まさに会計担当者のための実務直結型資格です。合格のためには、単に「関数の使い方を知っている」というレベルでは不十分です。「銀行勘定調整とは何か」「減価償却にはどのような計算方法があるか」といった会計の基本知識を理解した上で、それをExcelでどう実現するかを考える問題解決能力が求められます。

試験対策について

こちらも、現段階でこの資格に合格するための学習方法はどんなものになるか、考えてみます。

Excel 365 Associate合格レベルの基礎スキルは必須

MO-230と同様に、ベースとして、一般レベルの「Excel 365 Associate」に合格するレベルの操作スキルは必須です。Excel 365 Expertの合格レベルを目指す必要はないと考えています。

「会計実務能力」を養う実践練習が鍵

この試験も、やはりテキストの練習問題を解くだけでなく、初めて見るデータに対して自ら課題を設定し、解決する実践的な演習が必要なように思われます。

Kaggleなどのサイトで公開されているデータセットを利用するほか、マネーフォワードなどが提供する無料の経理テンプレートを参考に、ゼロから同様のレポートを作成する演習をしてみるのもいいかもしれません。

  • データ集計とレポート作成の演習: Kaggleから小売店の販売データをダウンロードし、ピボットテーブルで月別・製品カテゴリ別の売上集計表を作成します。さらに、XLOOKUP関数を使い、別のシートにある商品マスタから単価を参照して、正確な売上高を算出してみる 。  
  • 定型業務(売掛金管理)の演習: 請求書の一覧データを用いて、売掛金の年齢表を自作します。TODAY関数やIF関数を組み合わせ、各請求書が支払い期日から何日経過しているかを計算し、「30日以内」「61~90日」といった区分に自動で分類されるシートを作成してみる 。  

これまでのMOS試験とは異なり、単なる操作スキルではなく、「この会計業務を遂行するために、どの関数や機能を使えばよいか」を自ら考え、実行する訓練を繰り返すことが、合格への鍵となるでしょう。

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専門性がキャリアを切り拓く時代の到来

というようなわけで、今回「チラっと」掲載されたMOS Excel新科目は、より専門的な職務につこうとする方にとっては、十分検討に値する選択肢になるのではないか、と予想します。

  • Point 1: MOSに「財務」「会計」という、特定の仕事に直結する専門資格が初めて登場します。
  • Point 2: 履歴書に書いたとき、今までのMOS Excelとは違う、「専門的な」重みが出る科目だと考えられます。
  • Point 3: 試験開始は未定ですが、ある程度内容は予想できます。その分野を目指す方は、今から学習を始めておけば、試験開始直後の取得も十分可能だと思われます。

専門的なスキルを持つ人材の価値がますます高まる現代において、この新科目は、漠然とした「Excelをできるようになる」から、もっと明確な目的と専門性をもったすきるあという誰もが使うツールを、あなただけの「専門的な武器」へと変えてくれるはずです。

さあ、うちもレッスンの準備、はじめておかないと…がんばります。

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